社員教育が時代とともに変化してきている
近年の新入社員は、入社しても非常に定着率が悪いと言われています。大変なことがあればあきらめよく、思い切りよく、すぐやめてしまうのでしょうか。ゆとり教育のおかげか、大変なことは耐える必要はないと考えているのかもしれません。そして、それと同時並行で進捗しているのが、団塊の世代及びそれ以降の人たちが大量退職です。その結果、会社内の社員教育や人材育成のあり方が大きく変化しつつあります。定期的に新入社員が入ってくる時代は、後輩の面倒は先輩がみる、というチェーンが年代別に自然に組まれていました。その先輩は誰かの後輩であり、育成をしてもらってきたという流れを作ることができました。しかし、今はそうはいきません。高年齢者がどんどん定年退職や早期退職でやめていき、長らく続いたデフレの時期には新入社員を採用することができずその世代にぽっかり穴が開き、これはまずいということで、最近、新入社員をたくさん取り始めたらまったく定着しない、という恐ろしい流れが加速しているのです。
そこで登場してくるのが、定年退職する人を再雇用し、後輩の育成係りにまわってもらうという方法です。再雇用されると、多くの場合給料はがくっと下がります。しかし、それでも、定年後まだ会社に自分の居場所があり活躍できる場所があると思えばやる気も出てくるようです。また教えてもらう後輩も、年の離れた経験のある人からの教えは素直に受け入れやすいようです。結果的に新入社員の定着率もあがることにつながります。時代とともに社員教育が変わってきているのです。